~超ド級の"ド"の意味って?~あの言葉の語源
普段何気なく使っている"言葉"。
「ありがとう」とか「おはよう」みたいな挨拶、「学校」とか「駅」みたいな場所を表すもの、「エビデンス」や「デスク」みたいな横文字…沢山あります。
私たちは毎日無数の"言葉"を使います。
このブログだって"言葉"を使って書いています。
その"言葉"を使うときに、「この言葉はどうやって出来たんだろう」「この言葉の由来は?」なんてことを一言一句一々意識している人なんていないと思います。
ただふとした拍子にこの言葉の語源が気になる、そんな人はいるでしょう。
今回は、そんな言葉の由来をほんのちょっとだけ紹介します。
超ド級
「ものすごいこと」を表す形容動詞に"超ド級"というのがあります。
「超ド級ヒット作」とか「超ド級兵器」とか、色々な場面、場所で使われてますね。
"超"は「○○を超える」とか「super」といった意味合いです。
この場合は「"ド級"を超える」という意味です。
"級"は物事のランクを表す名詞です。
じゃあ"ド"はなんでしょうか?
この"ド"は戦艦"ドレッドノート"の"ド"です。
この戦艦は、これまでの戦艦の在り方や作戦を根底から覆す画期的な艦でした。
詳しい話は省きますが、圧倒的に巨大で、速く、高火力なこの船は、諸外国の海軍に衝撃を与え、日本においても「ド級戦艦(=巨大戦艦)」として広く知れ渡ることになりました。
やがてそのドレッドノートを上回る戦艦たちが登場し始めます。
彼らは「あのド級戦艦をも超える」という意味で"超ド級戦艦"と呼ばれるようになりました。
第二次大戦が終わると同時に戦艦は時代遅れとなり、次々に退役していきました。
この流れで"超ド級戦艦"という概念も終わる…
と思いきゃ、"超ド級"だけが独り歩きを始め、「ものすごい、とてつもない」を意味する形容動詞として定着しました。
因みに"ど真ん中" "ド迫力"の"ド"は関西弁由来で、ドレッドノートは無関係です。
スパルタ
「とてつもなく厳しいこと」を表す"スパルタ"。
その語源は古代ギリシャまで遡ります。
古代ギリシャには無数の"ポリス"という都市国家が存在していました。
そのポリスの中の"スパルタ"という国。
このスパルタで行われた教育方法が"スパルタ"の語源となりました。
スパルタでは贅沢は人を堕落させると考えられました。
娯楽は勿論のこと、軍事に関係のない学問についても固く禁じられました。
男子は7歳になると親元から離され集団生活、兵役に従事し、女子は子を産むことを務めとして教え込まれます。
暴力は人を鍛えるとしてむしろ推奨、成人になると街から追放され、周辺の奴隷を襲って生き延びよと言われます。
戦死、子を産んでからの死は名誉とされ、老衰は臆病者の恥ずかしい死とされました。
他にも沢山ありますが、このようなとてつもなく厳しい教育方法が後世に伝えられ、"スパルタ"という言葉が残りました。
大根役者
「演技の下手な役者」を"大根役者"と呼びますが、何故"大根"なのでしょうか。
この由来には複数の説があります。
一つ目の由来は、大根が食中毒の原因になることが滅多にないということにあります。
"食中毒になること"は別に"あたる"とも言います。
一方で、"役者が人気になること"を"あたる"と言います。
大根は滅多に"あたらない"。
演技が下手な役者は"あたらない"。
これをかけて"大根役者"と呼ぶようになったというものです。
二つ目は"大根おろし"にあります。
大根はしばしば"大根おろし"として"おろされる"。
演技の下手な役者は降板させられる(降ろされる)。
ここから"大根役者"と呼ぶようになったというものです。
三つ目は"大根が白いこと"にあります。
演技の下手な役者が"素人(しろうと)"に見えることから"大根役者"と呼ばれるようになったというものです。
どの説が正しいのかはよく分かっていませんが、どの説にしても考えた人は中々ユーモアに溢れているとおもいます。
以上、色々な言葉の由来でした。