むしろ憑りつかれたい妖怪たち
"妖怪"と言えば、人間には説明できない力で災害や疫病を起こしたり、時には人間を襲ったりする「悪い、怖い連中」というマイナスのイメージが付きまといます。
しかし、そんな妖怪の中にもプラスの効果を与える「いい連中」というのがいます。
座敷童なんかその代表格です。
彼女は、見た者に幸運をもたらすとされています(諸説あり)。
今回は、是非とも憑かれたい、易な妖怪を紹介していきます。
金霊
別名:金玉と呼ばれるこの妖怪は、名前通りお金に関わる妖怪です。
その能力は"憑りついた者に財をもたらす"という、逆貧乏神と言っても差し支えないものです。
この妖怪は「富を得るのは天命で、無欲な善人に福が訪れることの象徴」です。
最初から欲にまみれた人の元には来てくれません。
また、憑りついた者が欲に溺れるとどこへともなく消えてしまいます。
少なくとも私の元には来てくれなさそうです。
うまづら
窓を開けて昼寝をしていると、どこからともなく現れて家に入ってくる妖怪です。
人間の胴体に馬の首を付けたような見た目をしています。
コワイですね。
しかしやることは親切そのもので、お腹を出して寝ていると冷やさないように布団をかけてくれます。
蚊に刺されないように蚊取り線香を炊いてくれたり、夕飯を作ってくれたりもします。
しかもこの夕飯と言うのがとても美味しく、挙句食べると出世するという追加効果付きです。
もっと素晴らしいことに目を覚ます前にどこかへ消えるため、怖い思いをすることもありません。
申し訳なくなるくらい至れり尽くせりな妖怪ですね。
山男
山に住む毛深い大男です。
イエティの亜種説まで出ていたりします。
性格は土地の伝承によってさまざまありますが、基本的に人間を襲うことはなく、友好的な性格だそうです。
山道を恐ろしい勢いで走っていくので、決して住処を知ることは出来ないそうな。
タバコなど、ほんのちょっとの報酬で、木を運ぶなどの大仕事をやってくれるそうです。
私はただの気のいいガタイの良いおっさん説を推したい。
すねこすり
丸っこい犬の様な姿をしたこの妖怪は、歩いてる人間のすねをこすってきます。
…それだけです。
本当にそれだけ。
一応歩きにくくなるというデメリットはありますが、それを上回る"癒し"を得られること間違いなしです。
迷い家
若干妖怪の枠から外れるのですが、この世ならぬ場所にあるとされる家です。
この家に何かの拍子で迷い込んだら、こっそり誰にも見つからないように食器などをお持ち帰りしましょう。
無事に家まで持ち帰れたら金運がアップするそうです。
この世ならぬ場所なので、一度脱出してしまうと迷い家のあった場所に戻っても何もないそうです。
玉藻御前
個人的憑りつかれたい妖怪暫定1位の妖怪さんです。
3千年の長きに渡って生き続ける狐の大妖怪で、その色香で男を堕落させることを至上の喜びとしているそう。
なんでも憑りつく対象は独身男性で、憑りつかれたら最後、その男の嗜好にドストライクな見た目に化け、家事を一切させず、金銀財宝を与えて仕事にも行かせず、健康なまま死ぬまで離れない、最高の最恐の妖怪ですね。
今となっては是非とも憑りついていただきたい妖怪ですが、大昔は「男は働くことがプライド」だったので、実際に恐ろしい妖怪だったのではないでしょうか?
以上、憑りつかれたい妖怪でした。